このコーナーでは、標準管理規約や標準管理委託契約の改正内容について、何故改正したのか説明していきます。12月は標準管理規約(2024/6改正版)第31条の巻です。
【改正前】
(届出義務)
第31条 新たに組合員の資格を取得し、又は喪失した者は、直ちにその旨を書面又は電磁的方法により管理組合に届け出なければならない。
【改正後】
2(追加項目)組合員は、前項で届け出た内容に変更がある場合には、直ちにその旨を書面又は電磁的方法により届け出なければならない。
(改正箇所の解説)
組合員の届け出義務は、従前(第31条第1項)においては譲渡や相続によって区分所有者が変更した場合を補う内容でしたが、新設(第2項)は、区分所有者の氏名が変更された場合や、外部に居住する区分所有者の現に居住する住所・連絡先等が変更された場合にも、直ちにその内容を届け出て頂くことを義務化したものです。
区分所有者に連絡がつかないと、総会開催時の書類送付等だけでなく、マンション内で災害等の不測の事態が発生した際等に、様々な問題が想定されます。
また改正内容とは別に、区分所有者が長期間不在にする場合も届け出の規定を設けることが、区分所有者に連絡がつかない場合を未然に回避する観点から有効と、国交省は推奨しています。
管理組合が重要な決定をしたい場合に、区分所有者に連絡がつかず(その場合は決定したい事項や決定方法について、対象物件内の専有部の所在地あてに発したり、所定の掲示場所に掲示することをもって代えざるを得なくなります。)、そのような方が増えた結果多数決決議に至らないような事態を引き起こしては大変です。届け出た内容に変更がある場合には、直ちにその旨を届け出ることが、様々なマンション管理面のグレードアップに繋がることをご理解頂ければ幸いです。
さいとうたけろうマンション管理士事務所
齋藤太桂朗