民泊新法の成立と民泊対策(その3)

→ 民泊新法の成立と民泊対策(その1)
→ 民泊新法の成立と民泊対策(その2)

マンションの一室等を休憩・宿泊施設として使用する、いわゆる「民泊」について、8月に国土交通省から民泊新法(住宅宿泊事業法)に伴う改正マンション標準管理規約が公表されました。

住宅宿泊事業に伴う「マンション標準管理規約」の改正について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house06_hh_000146.html

マンション標準管理規約の改正にあたり、パブリックコメント(意見募集)を実施しましたが、国土交通省に寄せられた意見に対する回答(国土交通省の考え)も併せて公表されています。

注目すべき点としては「住宅宿泊事業法の施行に管理規約の改正が間に合わないケース」についてコメントされていることです。

【寄せられた意見】
管理組合によっては、住宅宿泊事業法の施行に管理規約の改正が間に合わないケースが発生することが想定される。その場合に、法令施行後すぐに住宅宿泊事業の届出がなされてしまうと、当該マンションでは、住宅宿泊事業が行えることが既成事実となってしまう可能性がある。そのため、法令施行に管理規約の改正が間に合わない場合の対応や考え方について明らかにしてほしい。

【意見に対する国土交通省の考え】
住宅宿泊事業法の実際の運用に当たっては、マンションで住宅宿泊事業を実施する場合については、住宅宿泊事業の届出の際に、民泊を禁止する旨の管理規約などがない旨を確認したいと考えております。
なお、管理規約の改正までには、一定の期間を要することから、管理規約上に民泊を禁止するか否かが明確に規定されていなくても、管理組合の総会・理事会決議を含め、管理組合として民泊を禁止する方針が決定されていないことについて届出の際、確認する予定としております。

(回答は民泊実施を前提に記載されていますが、)国土交通省の考えによれば、理事会決議で民泊を禁止する方針を決議すれば、少なくとも管理規約の改正までの間は、民泊行為を禁止することが可能となります。

住宅宿泊事業法は2018年の春にも施行される予定です。
改めて民泊行為の可否について、理事会で方針を決議されてみてはいかがでしょうか。